抄録
本シンポジウムでは、思春期の発達障害の多様性について、Irritabilityを中心に総括した。思春期における自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症を代表とする発達障害を抱えた子どもたちが、思春期になって初めて医療機関に登場することがある。思春期になった発達障害児たちは、その固有な症状よりも不登校・家庭内暴力などの多彩な問題に直面していることがある。これらの症状の背景に幼少期から抱えてきた不全感や、Irritabilityとして表出される抑うつ感が潜んでいることがあり、臨床医たちはこの不全感やIrritability共感的に接することを忘れてはならない。特に思春期の発達障害おけるIrritabilityは周囲との軋轢や問題行動と関連するなど、低い自己肯定感を強化しさまざまな精神症状を誘発するKey症状として理解しなくてはならない。