抄録
【緒言】HoLEP術後の尿道狭窄症は,比較的発症率が高く臨床的に問題となる場合がある.当院において2009年よりHoLEPの術式の一部を変更し,尿道狭窄の発生頻度を検討したので報告する.
【対象と方法】2008年1月から2009年12月までに,当院で単独術者によりHoLEPを施行された188例を対象とした.2008年の83例は,three-lobe techniqueに準じてHoLEPを施行し(A群),2009年の105例は,12時側の腺腫処理の際に,尿道への負担が軽減されるように工夫した新しい術式で施行した(B群).観察期間は2010年6月までとし,術後尿道狭窄症について検討した.
【結果】処置を必要とするような術後尿道狭窄症は,A群は7例(8.4%),B群は2例(1.9%)であり,有意差をもって低下した.
【結論】手術手技の工夫により,HoLEP術後尿道狭窄症の頻度を低下できる可能性があると考えられた.