Japanese Journal of Endourology
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体腔鏡手術
Homemade single-port deviceと硬性腹腔鏡手術器具を用いて行う単孔式腹腔鏡下副腎摘除術の初期19例の検討
灰谷 崇夫佐野 剛視瀧本 啓太梶田 洋一郎七里 泰正
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2013 年 26 巻 1 号 p. 78-82

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抄録
 【目的】単孔式腹腔鏡下副腎摘除術(Laparoendoscopic single-site adrenalectomy:LESS-A) は従来の腹腔鏡下副腎摘除術(Conventional laparoscopic adrenalectomy:CL-A)と比較して同等の安全性で,より低侵襲性や高整容性が報告されてきている.文献上multichannel single portを用いる報告が多いが,われわれは従来の腹腔鏡手術手技での施術と低コストを目的に,homemade single-port deviceと従来の硬性腹腔鏡手術器具を用いて19例のLESS-Aを経験し,そのアウトカムを14例のCL-Aと比較検討した.
 【対象と方法】対象は2010年7月から2012年2月の期間に施行した19例のLESS-A群と2008年7月から2011年2月の期間に施行した14例のCL-A群.LESS-A群19例中12例が肋骨弓下ポートで,7例が臍部ポートを用い,追加ポートを必要とした症例はなかった.両群の全例で通常の経腹膜的アプローチによるCL-A手技で行った.
 【結果】LESS-A群における患者平均年齢58.6歳,BMI 23.8 kg/m2,腫瘍径21mmで,18例が機能性皮質腺腫,1例が褐色細胞腫であった.CL-A群との比較で,患者背景因子,平均手術時間(191 vs. 194分,p=0.58)と出血量(56 vs. 90,p=0.32)に有意差を認めなかった.LESS-A群の1症例における臍部創傷治癒遅延以外の周術期合併症は発生しなかった.
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© 2013 日本泌尿器内視鏡学会
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