Japanese Journal of Endourology
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症例報告
馬蹄腎交差血管による水腎症に対する腹腔鏡下尿管切石術及び尿管尿管吻合術の1例
安達 尚宣伊藤 明宏藤井 紳司林 夏穂泉 秀明三塚 浩二荒井 陽一
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2017 年 30 巻 2 号 p. 187-191

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抄録

 67歳女性. 腹部大動脈瘤手術目的に血管外科で精査中, 右腰背部痛を自覚し, CTで馬蹄腎, 右水腎症と径10mmの右尿管結石, 重複下大静脈を認め, 当科に紹介となった. CTと逆行性腎盂尿管造影検査で, 右尿管は右腎盂前面を横走する右腎動脈下極枝との交差部位で圧迫されて狭窄しており, 結石は腎側の拡張尿管内に存在していた. 侵襲を抑え, 術中の腹部大動脈瘤破裂に備えて, 左半側臥位, 経腹膜到達法による腹腔鏡下尿管切石術を実施した. 拡張した右尿管前壁を切開し, 軟性膀胱鏡で結石を摘出した. 右尿管は切断して動脈の腹側で再吻合した. 右水腎は残存したが, 自覚症状は消失した. 馬蹄腎は多様な形態異常を伴うが, 術前画像検査で血管と尿管の走行を詳細に把握する事で安全に手術を施行し得た.

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© 2017 日本泌尿器内視鏡学会
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