【目的】RALP時の神経温存の下部尿路症状への影響を検討.
【対象と方法】2014-17年施行325例を, 非 (198), 片側 (109), 両側 (18) 温存の3群に分け, 術前, 術後1, 3, 6ヶ月後でのICIQ-SF, IPSS, OABSSの各総点を比較した. 1, 3ヶ月後のICIQ-SF総点の関連因子を解析した.
【結果】術前の各スコアには有意差はなかった. ICIQ-SFは, 術後1, 3ヶ月後で, 片側, 両側群で非群に比較して有意に低く, その後は有意差がなかった. IPSS, OABSSでも, ほぼ同様の傾向であった. 多変量解析で, 1, 3ヶ月後のICIQ-SFの予測因子は, 神経温存の有無と術前のIPSSまたはOABSSの総点であった.
【結論】RALP後の早期の下部尿路症状回復には, 少なくとも片側の神経温存が有用と思われた.