2019 年 32 巻 2 号 p. 241-245
限局性前立腺癌 (pT2以内) に対する当院でのロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術 (Robot-assisted radical prostatectomy : RARP) の切除断端陽性率とその危険因子について検討した. 対象は, 当院で2014年3月より2017年3月までに前立腺癌に対してRARPを施行し, 全摘後病理結果がpT2以内であった162例. 腹腔鏡下前立腺全摘 (Laparoscopic radical prostatectomy : LRP) の経験が50例以上ある術者をExpert, 50例未満の術者をnon-Expertと定義した. 断端陽性は, 24/162例の14.8%. 陽性部位は, 尖部が最多であった. 断端陽性の術前危険因子について, 多変量解析を用いて検討したところ, cT2bが独立した危険因子であり, LRPの経験数 (50例以上と未満) とRARPにおける断端陽性率との関連性は低いと考えられた.