Japanese Journal of Endourology
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特集2:RAPN困難症例への注意点
T1b腎癌に対するRAPN
槙山 和秀
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2021 年 34 巻 2 号 p. 197-200

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抄録

 本邦ではロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術 (RAPN) の保険適応はT1腎癌である. T1b腎癌に対するRAPNはT1aに対するRAPNより難易度は高いが, 今後本邦でも施行例の増加が予想される. 手術方法の基本はT1aと同じであるが, T1bでは阻血時間の延長が予想される. 注意点としては, 腎周囲脂肪剥離の際, 腫瘍損傷を避けること, 腫瘍切除は良好な視野で行い, 腎臓内部構造を正確に同定しながら切除を進めること, 太い動脈断端は確実に処理すること, 闇雲に深く運針しないことが挙げられる. T1b腫瘍は全体形状をイメージしながらの切除が可能であることが多いが, 腫瘍と正常腎臓の接着面積が広く, 切除および縫合に時間がかかるので, 切除縫合方法を標準化し, 効率よく阻血時間の延長を防止することが大切である.

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© 2021 日本泌尿器内視鏡学会
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