2026 年 6 巻 3 号 p. 174-181
【目的】消防機関に所属する救急救命士のリアリティショックの構成要素の傾向を明らかにし,教育背景による相違を検討する。【方法】消防機関所属の救急救命士を対象に実施した質問紙調査の回答データを分析し,構成要素を抽出して,免許取得機関別に比較した。【結果】リアリティショックは6つの構成要素が抽出された。「現場実践への適応」や「組織内外の連携」の構成要素において,養成校群は研修所群と比較して平均得点が高値を示す傾向があった。一方,「心理的負担」では両群間に大きな差はみられなかった。【考察】教育課程と現場実践との乖離や,病院前救急特有の多職種連携および消防組織特有の職務環境への適応が影響している可能性が示唆された。【結論】教育背景の違いが職務開始初期に認識されるリアリティショックに関連する可能性が示され,教育課程と現場実践の連続性に配慮した初期支援体制を検討するうえで一定の示唆を与えるものと考える。