日本臨床救急医学会雑誌
Online ISSN : 2187-9001
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ISSN-L : 1345-0581
原著
鈍的肺外傷例の臨床的検討
龍村 俊樹
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1998 年 1 巻 2 号 p. 171-175

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抄録

鈍的胸部外傷257例のうち,肺損傷を認めた142例(55.3%)について分析した。気胸が41例(28.9%),その他血胸26例(18.3%),血気胸19例(13.4%),緊張性気胸10例(7.0%),および肺挫傷46例(32.4%)がみられた。肺挫傷46例中にacute respiratory distress syndrome(以下ARDSと略す)の発症をみたものは7例で,2例が死亡した。死亡率は7.8%であった。肋骨骨折をみない症例が19例(13.4%)存在した。肋骨骨折が肺損傷の絶対必須条件ではないことを物語っている。76.2%の症例に最初から胸腔ドレナージによる持続吸引を行い,最終的に7.4%の症例に手術を行った。しかし,最初に胸腔ドレナージを行わなかった23.8%のうち,3例(12.5%)は経過中にドレナージを行う必要が生じた。症例の慎重なfollowが不可欠である。

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© 1998 日本臨床救急医学会
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