日本臨床救急医学会雑誌
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臨床経験
救急医療センター開設に伴う経済的変化
玉木 真―青木 眞晴渡辺 明良中村 彰吾先久 美穂上田 留美子近藤 司三橋 昭裕石松 伸一荻野 隆光
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1998 年 1 巻 2 号 p. 206-211

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抄録

聖路加国際病院は,平成9年9月より救急医療センターを開設し,都内では唯一の民間三次救急医療施設となった。そこで今回当救急医療センター開設前後の経済的変化の調査を行い,その結果を考察する。方法:当院で実施している原価計算調査報告をもとに,平成8,9年の医療費収支を比較する。結果と考察:当救急医療センターは,収支で比較すると不採算部門となっていることがわかった。この大きな要因として,平均在院日数の長期化,診療報酬点数上の救命救急入院料が認められないことなどが考えられた。当院は高度医療機能病院として病院経営を行うことを目的にしていることから,救急診療部門は必要不可欠な存在である。以上のことから,今後は当院における経済的バランスを勘案した救急医療の運営について検討していく必要があると考えられた。

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© 1998 日本臨床救急医学会
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