日本臨床救急医学会雑誌
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調査・報告
当救命センターにおける入院時3点MRSAスクリーニング検査の調査結果
米満 弘―郎定光 大海島原 由美子若井 聡智前野 良人大西 光雄白 鴻成西野 正人河野 宏明木下 順弘
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2007 年 10 巻 6 号 p. 592-597

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抄録

目的:当救命センターにおける入院時3点MRSAスクリーニング検査を調査,検討した。方法:2004年1月から2005年10月までに当救命センターに入院した1,448例に,鼻腔,咽頭,喀痰の入院時MRSAスクリーニング検査を施行し,MRSAの検出率,MRSA陽性例の背景因子,経過を調査した。結果:入院時MRSA陽性例は43例(2.97%)であった。MRSA陽性群/陰性群:平均年齢72±18.3歳/54±22歳,内因性疾患76.7%/47.4%,転院搬送入院率34.9%/15.9%だった。採取部位別陽性率は鼻腔53.3%,咽頭48.8%,喀痰65.1%だった。MRSA保菌例の20%がMRSA感染症を発症した。考察:高齢,他施設からの転院,内因性疾患は入院時MRSA陽性のリスク因子であると考えられた。スクリーニングとして3点培養は必要であり,保菌例の発症予防の重要性が示唆された。

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© 2007 日本臨床救急医学会
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