日本臨床救急医学会雑誌
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原著
救急医療と介護福祉の連携構築のために
―神戸市における介護施設からのCPA症例搬送の検討―
中尾 博之早原 賢治吉田 剛高橋 晃陵城 成浩遠山 一成安藤 維洋李 俊容川嶋 隆久石井 昇
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2008 年 11 巻 5 号 p. 428-433

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抄録

救急医療に対する負荷を減らすために,介護施設のCPA症例に関するデータから医療施設と介護施設が協調するための課題を抽出し,その解決策を提案する。平成16年1月1日からの3年間における神戸市内の介護施設(市内112施設)で発生したCPA症例のうち,神戸市消防局が搬送した304件の死因,時間帯の特徴,年齢分布,施設種別について検討した。CPA発生の時間帯に関して調べてみると,1日に3度のピーク(8時,12時,18時)があった。年齢分布では80歳から92歳までがとくに多かった。搬送依頼をした上位11施設はいずれも特別養護施設であった。地域メディカルコントロール協議会などが中心となって,特別養護老人施設における緊急時の対応についてさらなる整備が必要であることが明らかになった。また,蘇生または治療方針をあらかじめ確認しておき,介護施設が契約している関連医療機関をさらに活用する必要がある。

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© 2008 日本臨床救急医学会
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