日本臨床救急医学会雑誌
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症例報告
体外式人工呼吸biphasic cuirass ventilationの併用が有用であった重症呼吸不全の1症例
山香 修坂本 照夫菊間 幹太山下 典雄高松 学文吉無田 太郎神代 由紀宇津 秀晃高宮 友美冬田 修平
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キーワード: 気道損傷, 肥満患者, BCV
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2008 年 11 巻 5 号 p. 449-453

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抄録

非侵襲的体外式陰圧換気法であるBiphasic Cuirass Ventilation(以下BCV)と人工呼吸器を併用することで,膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenator,以下ECMO)および人工呼吸器からの早期離脱が可能であった重症呼吸不全の1症例を経験した。症例は,31才の女性で早期胎盤剥離にて緊急帝王切開術終了後,右気胸,右上葉無気肺および縦隔気腫を認めICUに入室となった。呼吸状態は安定していたが,入室2日目に突然SpO2が80%台まで低下した。気管挿管後,気管支鏡施行し右主気管支損傷が判明した。分離肺換気などの呼吸管理を行うも酸素化が改善せずECMOを導入した。ECMOを導入し良好な酸素化は得られたが,ECMOからの離脱困難な状況であった。そこで,入室4日目にBCVを併用したところ,4時間後にはECMOから,6日目には人工呼吸器から離脱,12日目に退室した。BCVの併用は,ECMOおよび人工呼吸器からの早期離脱に有用であった。

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© 2008 日本臨床救急医学会
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