2009 年 12 巻 6 号 p. 553-557
救命できなかった心原性CPA症例のなかにPreventable Deathが存在する可能性について考察し,原因を地域プロトコルに基づき時間的要因に注目した検討を行った。2005年4月~2007年10月までの心原性CPA症例から,救命の可能性が高いと考えられた17例(60才未満,日撃者あり)を抽出。転帰「死亡」は10例。VFを呈していた転帰「死亡」9例に対し,接触から除細動器電極装着時間が遅延していた症例が5例存在。うち4例は解析開始時間も遅延しており,救急隊活動に課題があると考えられた。一方,転帰「1ヶ月以上生存」7例は速やかに電気ショックが実施されており,早期に除細動器を起動させることで救命につながることがあらためて示唆された。検討の結果,心原性CPA症例のなかにPDが存在すると思われ,PDを減らすためには早期に除細動器を起動させることを義務付けているプロトコルを厳守することが必要であると考えられた。