2010 年 13 巻 5 号 p. 632-638
救急患者受け入れを義務付けた法律の存在および救急患者受け入れ困難状況の有無を,米国・スウェーデン・韓国において調査した。米国では救急患者受け入れを義務付けた法律が存在する一方で,救急患者の受け入れ状況は年々困難となっている。スウェーデンでは救急患者に特化した法律は存在せず,また救急患者の受け入れ状況も深刻化していない。韓国は米国と同じような状況である。救急患者受け入れを義務付けた法律が,救急患者受け入れ困難を解決する直接的な解決法になるとは必ずしもいえなかった。日本では地域実情に合わせた救急搬送・救急医療体制を整備することが望ましいと思われた。