2010 年 13 巻 5 号 p. 626-631
目的:救急外来における看護師によるトリアージに関する実態を把握し,特質を明らかにする。方法:無作為に選出した全国の救急医療施設に勤務する救急看護認定看護師100名および,同施設救急部門担当医師100名を対象に,トリアージの実際について質問紙を用いた調査を実施した。結果:看護師100名中55名,医師100名中54名より回答があった。看護師55名,医師52名がトリアージナースの必要性を認識していた。看護師がトリアージを実施している施設は55施設中42施設であり,看護師がトリアージを実施したことの効果は,看護師・医師ともに,①状態の悪い患者を優先して診療できた,②事前に問診することで診療がスムーズになった,③状態の悪化を予防できた,④患者のクレームが減った,などであった。結論:救急外来におけるトリアージの実態とトリアージナースの必要性が明らかになった。看護師・医師ともにトリアージナースに求める能力が共通していた。