2010 年 13 巻 5 号 p. 664-667
PTPは1960年代から普及し,高齢者の誤飲による異物として時々遭遇する。異物の位置や合併症の有無の把握は重要であり,治療方針が異なるため正確な診断が求められる。PTPの材質は金属箔と塩化ビニール製ではあるが,単純X線写真での描出は困難である。今回,3症例のPTP誤飲・誤嚥例を経験した。2症例は食道異物,1症例は気管異物であるとCT検査で判明した。MD-CTはPTPおよびその内部の錠剤を描出しており,存在診断のみならず局在診断に有用であり,消化管穿孔などの合併症の有無の確認にも有用であった。診断および治療方針の決定にはMD-CT撮影が有用と思われる。