日本臨床救急医学会雑誌
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原著
救急救命士による末梢静脈路確保の現状とスプリング発射式骨髄穿刺キットBone Injection GunTMの有用性に関する研究
諌山 憲司平川 昭彦村尾 佳則中谷 壽男
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2010 年 13 巻 6 号 p. 690-696

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抄録

はじめに:救急救命士が心肺機能停止傷病者に静脈路を確保することは,さまざまな要因により困難な場合がある。目的:静脈路確保困難症例の対策として,従来の骨髄穿刺針に比べ簡便に骨髄内へ輸液路確保できる骨髄穿刺器具の1つであるBone Injection Gun(BIG)の有用性について検討した。方法:2008年中の救急活動検証票から救急救命士による静脈路確保の実施状況を調査した。また,救急救命士と救急隊員を対象(n=30)に訓練用BIGと訓練用下肢を用い,①広く明るい平地,②暗い環境,③狭い環境で,BIGによる 骨髄内輸液の所要時間と成功率を測定した。結果:心肺機能停止傷病者全搬送人員(n=434)の90.8%に静脈路が確保されていなかった。BIGによる骨髄内輸液の所要時間は①16秒,②16秒,③15秒で,成功率は①96%,②93%,③100%であった。考察:BIGによる骨髄内輸液は, さまざまな穿刺困難因子にも影響されにくく,迅速かつ確実に実施できるため静脈路確保困難傷病者への薬剤・輸液投与時に有用な手段であると考えられる。

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© 2010 日本臨床救急医学会
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