一部事務組合設立消防局所属の署および出張所配置にて,救急業務に従事する救急救命士5名に対し,『救急救命士の職務に関する思い』をテーマとし,半構造面接を行った。面接内容をKJ法にて全体分析した結果,【救急行政を取り巻く状況の変化や時代的要請をふまえた管理体制の充実と見直しの必要性が高まっている】,【救急救命士の職務に課せられた負担や責任によるストレスとその影響を抱えている】,【仕事の支えを得ながら,職務として受容し,やりがいを見出している】の3つの島が抽出された。これより,調査対象者は,救急救命士の職種に課せられた負担や責任によるストレスとその影響を抱えているが,仕事の支えを得ながら職務を受容し,やりがいを見出して,バランスをとっていることがわかった。一方で,地方の一救急救命士であっても,救急行政を取り巻く時代的要請をふまえた管理体制の充実と見直しの必要性を,すでに5年以上前より感じていることがわかった。