2011 年 14 巻 1 号 p. 31-37
目的:産科傷病者の救急搬送については,収容医療機関が速やかに決定しない事案が首都圏や近畿圏に散見され話題になっている。そこで,名古屋市における実像を明らかにすることを目的に調査を実施した。方法:名古屋市消防局の協力を得て,名古屋市36救急隊の隊長72名を対象に「産科傷病者の救急搬送に係るアンケート調査」を実施。アンケート調査内容は,産科傷病者の搬送時に役立つ情報,米受診妊婦を搬送する際に選定する候補病院,産科傷病者の搬送でこれまでに困ったこと,医療機関に望むこと,などとした。結果:かかりつけ医,二次輪番病院が応需できない現状が散見され,多くの救急隊はかかりつけ医,二次輪番病院を選定の参考にはしていたが,ほとんどは特定の2つの医療機関のいずれかを選定していた。結論:二次輪番病院の産科傷病者の適正な受け入れや,かかりつけ医の初期対応などが,今後の産科傷病者の救急搬送を支えていくうえで不可欠である。