2011 年 14 巻 1 号 p. 7-13
目的:救急搬送後に悪性腫瘍と診断された症例について検討する。対象:2004年7月から5年間で救急搬送後に悪性腫瘍の診断が得られた症例を対象とした。結果:期間内の全救急搬送14,830例中91例(0.61%)に悪性腫瘍の診断が得られた。内訳は胃癌22例,大腸癌18例,肺癌13例などであった。これらを直接悪性腫瘍に関連する症状で搬送された52例[A群],他疾患で搬送され偶然悪性腫瘍が発見された39例[B群]に分類し比較した。両群とも胃癌が最も多く,次いでA群では大腸癌,B群では肺癌が多かった。胃,大腸癌では消化器症状,肺癌ではCTがおもな発見動機であつた。A群ではB群に比べてとくに胃,大腸癌で診断に至る日数が短い一方,進行したケースが多い傾向がみられた。結語:救急搬送後に悪性腫瘍と診断された症例は消化器系癌が最も多く,悪性腫瘍に起因する症状での搬送例では進行癌が多い傾向がみられた。