2011 年 14 巻 3 号 p. 437-444
目的:救急医療におけるMSWの役割と特徴について考察し,その必要性について提言する。方法:平成20年度~平成21年度にMSWが介入した入院患者のリストから,入院時の診療科が救急科であった患者をビックアップし,救命台帳およびケース記録と照らし合わせてその実態を調査した。結果:退院転帰の多くが他医療機関への転院である,半数以上が何らかのソーシャル・ハイリスクを抱えているなどの結果から,MSW介入患者の多くが退院困難な要素や療養の障害となる問題を抱えているという実態が明らかになった。結論:救急医療において,患者は緊急的かつ重大な問題を多く抱え,早急に解決を要することが数多くある。高齢社会の進行や経済の低迷などにより,心理・社会的なハイリスク要因を抱える患者はますます増加することが予想される。患者の自己実現を図りつつ,救急病床を確保し経営維持していくために,MSWの役割は非常に大きく,重要な職種である。