日本臨床救急医学会雑誌
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原著
バックボード補助器具の考案と有用性の検討
山内 一田中 秀治村岡 幸彦高橋 宏幸喜熨斗 智也白川 透田久 浩志
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2012 年 15 巻 1 号 p. 1-6

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抄録

目的:全脊柱固定の合併症対策として考案したバックボード補助器具(Back Board Assist Mattress:以下BBAM)の有用性を検討すること。対象および方法:[研究1]健常者11名を対象に,体表面接触圧をBBAM使用の有無で測定した。[研究2]健常者15名を対象に,全脊柱固定を行った状態で90°に傾け,身体の変動をBBAM使用の有無で測定した。[研究3]JPTECTMプロバイダー資格保有者24名を対象に,全脊柱固定所要時間をBBAM使用の有無で計測した。結果:[研究1]BBAMあり群では,全部位において接触圧の低下傾向を認めた。接触圧の全身平均はBBAMなし群31.6 mmHg,BBAMあり群28.3 mmHg,低下率は10.4%であり有意差が認められた(p<0.05)。[研究2]全計測点において,BBAMあり群が低値を示し,A点(顎部)以外で有意差が認められた(p<0.05)。[研究3]全脊柱固定所要時間の平均は,BBAMなし群は55.1±9.1秒,BBAMあり群は55.3±10.6秒であり,有意差は認められなかった。まとめ:BBAMは全脊柱固定の合併症対策として有用であると考える。

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© 2012 日本臨床救急医学会
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