2012 年 15 巻 1 号 p. 7-10
目的:当院における心肺停止例を評価することで,心停止後症候群で認める痙攣の臨床的意義を明らかにする。方法:2009年4月~2011年3月に当院に搬送された心肺停止例のうち,心拍再開後7日以上生存した症例を,痙攣を認めた23例と痙攣を認めなかった33例に群分けし,患者背景,蘇生後の治療,神経学的予後を比較検討した。結果:覚知から心拍再開までの時間,心肺停止の原因,蘇生後の全身管理における体温コントロールや鎮静には両群間に差を認めなかった。cerebral-performance category(CPC)で評価した1か月後の神経学的転帰は,2以下の症例は痙攣群では1例,非痙攣群で21例であり,非痙攣群で神経学的転帰が良好であった(p=0.008)。結論:心拍再開後に認める痙攣は,神経学的予後が不良であることを予測させる因子の1つである。