2012 年 15 巻 3 号 p. 382-386
目的:当救命救急センター病棟(以下:当病棟)にて経験的に実施されているシリンジポンプ併用切替法(以下:切替群), シリンジポンプ併用段階変動法(以下:段階群)において,有害事象発生頻度および交換に必要となる人的資源を明らかにする。方法:当病棟における2009年1月から2010年12月に,連続循環動態評価を受けた86例のシリンジ交換406回を対象とした。診療情報記録より各パラメーターを抽出し,シリンジ交換から30分以内の有害事象発生率を明らかにするとともに,両群の人的資源を比較検討した。結果:有害事象発生率は,切替群5.8%,段階群4.6%,p=0.745であった。交換に要する人的資源は,切替群6.0±1.5(人×min),段階群11.5±4.8(人×min),p=0.006であった。結論:シリンジポンプ併用切替法は,複数段階で流量を変動させるシリンジポンプ併用段階変動法と同等に有害事象を回避する一方で,交換に要する人的資源を抑制することができ,より効率的な交換手法と考えられた。