目的:トリアージナースによるトリアージを実施した場合の救急外来での効果的診療について,JTASプロトタイプ導入前後で比較検討した。方法:対象は,5か所の救急医療施設のトリアージナース67名,救急医31名,および患者1,258ケース。 トリアージ調査票を用いて「トリアージにかかわる時間」,「緊急度判定」, トリアージナースの「アセスメント能力」を調査した。結果:「トリアージにかかわる時間」は「受付からトリアージ」が4.1分,「トリアージ判定」が45秒,「受付から診察」が10.5分,導入前より時間短縮した。「患者が体感した受付から診察までの時間」も18.2分短縮した。オーバートリアージは,導入後25.8%から8.9%に減少,アンダートリアージは,10.4%から2.5%に減少した。 トリアージナースと救急医の「緊急度判定」の一致率は,κ=0.419からκ=0.817に上昇した。「アセスメント能力」は,導入後に救急医の指示と高い一致を示した。
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