2013 年 16 巻 2 号 p. 131-135
はじめに:カフェイン多量服用による頻回の嘔吐で誘発されたと思われる特発性縦隔気腫の1例を経験したので報告する。症例:24歳男性,8時間前より頻回の嘔吐が出現し,息苦しさも生じたため救急搬送となった。来院時,頻回の嘔吐,過換気,不穏状態あり。CTで縦隔気腫と頸部皮下気腫を認めたため,食道破裂も疑い上部消化管内視鏡を施行した。内視鏡では穿孔を疑わせる所見なく,特発性縦隔気腫の診断で保存的加療とした。第2病日,自殺企図でカフェイン市販薬を大量内服(カフェイン19.2g含有)したと申告したため,代謝産物テオフィリン濃度を測定したところ,来院時9.5μg/mlと高値であった。経過良好で第5病日退院となった。結語:頻回の嘔吐を伴う場合,カフェイン中毒を鑑別に入れるとともに,嘔吐による食道穿孔や特発性縦隔気腫を合併することがあることを留意しておく必要がある。