日本臨床救急医学会雑誌
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調査・報告
東日本大震災における災害時要援護者の院内マネジメントの経験
佐々木 隆徳郷古 親夫
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2013 年 16 巻 2 号 p. 99-107

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抄録

東日本大震災では多数傷病者に対してトリアージと診療を行った。そのなかには災害時要援護者と位置づけられる患者群も存在し,傷病者と異なる対応が求められた。<帰宅困難者>自力で帰宅が困難な高齢者・災害時要援護者が帰宅困難に陥っており,組織的な帰宅支援が求められた。<妊婦>出産予定日に合わせて妊婦の受入や清潔道具や器械の確保が求められた。<維持透析患者>緊急性を判断して臨時透析を行うための対応マニュアルの策定と,透析担当医の配置と臨床工学技士との密な連携が必要であった。<在宅酸素療法患者と在宅人工呼吸器患者>自宅の電気が復旧するまで,酸素配管のある手術回復室などへの滞在が必要であった。従来の災害対応マニュアルでは傷病者に対する治療が中心で,災害時要援護者に対するマネジメントが不十分であった。今回の災害を契機に,地域防災計画と連動した医療機関での災害時要援護者対策に取り組む必要がある。

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© 2013 日本臨床救急医学会
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