2013 年 16 巻 2 号 p. 95-98
目的:理学療法士の一次救命処置(BLS)に関する認識と学習意欲を明らかにすることである。方法:対象はBLSを未学習である理学療法士160名とした。質問紙を用い,経験年数,理学療法対象患者の病期(急性期・回復期・慢性期),BLSに関する認識と学習意欲を調査した。認識は内容も知っている,名称のみ知っている,知らない,の3段階とした。学習意欲は学びたい,やや学びたい,どちらともいえない,あまり学びたくない,学びたくない,の5段階とした。結果:全対象者の68.2%がBLSの内容を知らなかった。対象患者病期別では,急性期患者を対象としている理学療法士の認識が回復期患者また慢性期患者を対象としている理学療法士と比べて有意に高かった。学習意欲は全対象者の90%以上がBLSを学びたいと高い意欲を示した。結語:理学療法士にBLSを広めていくためにはBLSの名称と内容を伝えていくこと,またBLSを学習しやすい環境づくりを検討していく必要がある。