日本臨床救急医学会雑誌
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Nuclear(核)/Radiation(放射線)テロ・災害時における 外傷患者対応と診療放射線技師の役割
大保 勇小坂 健太住田 知隆山口 聖和近藤 賢一
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2013 年 16 巻 5 号 p. 707-713

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抄録

目的:救急医療機関におけるNuclear(核)テロ/Radiation(放射線)テロ(以下NRテロと略す)・災害による汚染を伴った高エネルギー外傷患者を対象とした院内二次汚染防止策,放射線サーベイの方法や診療放射線技師の役割はいまだ参考となるものは少ないため,診療放射線技師の視点からそれらについて整理すること。方法:『救急医療機関におけるCBRNEテロ対応標準初動マニュアル』 6)および『改訂第4版外傷初期診療ガイドラインJATEC(Japan Advanced Trauma Evaluation and Care)』(以下JATECと略す) 7)を参考に整理した。なお『救急医療機関におけるCBRNEテロ対応標準初動マニュアル』は数十人規模の対応レベルであり,除染前トリアージ(以下Pre DECON triage とする)エリアで放射線が検出された場合の診療手順に従い,除染よりも蘇生(ABCの安定化)を優先した場合の対応について整理した。結語:診療放射線技師の視点からNRテロ・災害による汚染を伴った高エネルギー外傷患者に対する院内二次汚染防止策,放射線サーベイの方法等,診療放射線技師の役割について明らかにし整理した。円滑な外傷初期診療や汚染拡大防止のために,われわれ診療放射線技師は,日常からチーム医療を実践し外傷初期診療ガイドラインおよび自施設での外傷診療を熟知しておく必要があると考えられた。

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© 2013 日本臨床救急医学会
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