抄録
大阪府泉州二次医療圏においては,改正消防法の公布に先立ち,平成21 年4 月より改正消防法の実施基準に準じた新しい救急医療体制を構築し運用している。今回その新体制の有用性と問題点について,救急隊の月例報告をもとに検証した。対応可能医療機関のリスト化により,医療圏内で対応可能な総患者数は増加した。また,搬送先選定困難例が多かった吐下血・消化管出血および脳卒中については,最終受入れ当番病院制を導入した結果,受入れ状況が改善した。一方,緊急度・重症度別の分散搬送が機能していないなどの問題点が判明した。また,新体制の課題を正確に把握するためには,個別事案の病院前活動から搬入後経過までの一連の経過を地域網羅的に把握する必要があり,その点で本調査の限界が明確になった。当医療圏では,今後このようなデータを集積するため,新たな患者登録システムを構築し運用していく予定である。