日本臨床救急医学会雑誌
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調査・報告
腎機能別遺伝子組換えトロンボモデュリンαの用量について
関本 裕美河合 実中蔵 伊知郎服部 雄司本田 芳久定光 大海
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2014 年 17 巻 3 号 p. 440-444

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抄録
当センターで,2008年5月〜2012年8月の期間に遺伝子組み換えトロンボモデュリンα(Recombinant Thrombomodulin-α;rTM)を投与された症例の性別,年齢,投与前推算糸球体濾過量(以下,eGFR),投与開始量,累積投与量,悪性腫瘍の合併の有無,診療科を調査した。また,腎機能別に投与開始量で分類し,DIC離脱時期を調査し,腎機能低下におけるrTMの用量について検討した。調査症例83例(男性58例,女性25例,66.0 ± 15.2歳),DIC離脱率は80.7% で,rTM投与後にDIC離脱できた症例を有効例とした場合,各要因による有効 / 無効に違いはなかった。腎機能別の患者背景では, 年齢(p=0.0164),投与開始量(p=0.0003)に違いがみられたが,累積投与量には差がなかった。重篤な腎機能障害時の初回投与量によるDIC離脱日数にも差がなく,本研究結果から,重篤な腎機能障害を考慮しても投与量による離脱率の違いは認められなかった。今後は副作用モニタリングをすすめながら,重篤な腎機能障害時のloading効果について検討していくことを課題とする。
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© 2014 日本臨床救急医学会
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