抄録
緊急度の高い患者の救命には,病院前救護における迅速かつ適切な処置と搬送施設選定が必要である。しかし,緊急度・重症度の根拠に基づいた搬送基準は存在しない。われわれは,2006年に小児搬送のための重症度・緊急度判定基準を策定した。その有効性を検証する目的で,2007年6月から2011年5月の4年間に救急隊現着時に痙攣が持続していた16歳未満の患者を対象として診療録を後方視的に検討した。68例が搬送され,全例に酸素投与とモニタリングが行われていた。痙攣が頓挫後に搬入された24例では,気管挿管や集中治療管理は不要であった。一方,搬入まで痙攣が持続していた44例では,8例(19%)が気管挿管され,7例(16%)が複数の抗痙攣薬の投与を必要とし,12例(28%)が集中治療管理を要した。救急隊現着時に痙攣が持続している小児を救命救急センターに搬送する基準は緊急度・重症度を識別するために有用である。