日本臨床救急医学会雑誌
Online ISSN : 2187-9001
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調査・報告
地域救急医療の模索
―淡路スタイルの確立を目指して―
吉田 剛平山 貴一岡本 浩坂平 英樹林 孝俊
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2016 年 19 巻 3 号 p. 509-512

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抄録
淡路島は大きな島であるが,過疎化,高齢化が顕著で,救急医療に関しては島内完結型の地域である。当院救命救急センターは一昨年,地域の二次・三次救急医療体制の拠点として開設された。平日日中は救急専従医を中心に,時間外は若手内科系・外科系当直医を中心に,重症患者に対しては協力して初療にあたり,各科オンコール体制で緊急検査・処置や手術にも迅速に対応し,入院治療を要する患者については各科でのいわゆる北米ER型システムをとっている。“淡路島最後の砦”としてやらざるを得ない環境という共通認識があるため,救急医療への理解や迅速対応への協力は特徴的であるが,若手当直医の積極性と各科や多職種との円滑な連携によるところが大きいと思われる。今後に向けては課題もあるが,地域性を考慮したさらなる体制整備,すなわち“淡路スタイルの確立”を目指す必要がある。
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© 2016 日本臨床救急医学会
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