抄録
外傷患者における長期的な社会復帰に関する検討はいまだなされていない。そこでわれわれは外傷患者の職場復帰に関する郵送でのアンケート調査と自宅退院した患者への直接インタビュー調査を行った。アンケート調査の対象患者は24人で男性16人,女性8人であった。全24人中,受傷6カ月目までに職場復帰したのは14人(58%)。復帰群14人と非復帰群10人を比較すると非復帰群の方が復帰群と比較して有意に高齢であった。患者へのインタビューは25歳から64歳までの計4名に行った。患者は自宅退院後,医療的・身体的なことだけでなく,経済的・社会的な多方面にわたる問題を抱えていた。外傷患者は自宅退院後に多方面にわたる障壁を経験しており,病院前治療から急性期治療,回復期治療までの経過をイメージできるような医療者を核とした地域の患者サポート体制が必要だと考えられた。