2017 年 20 巻 4 号 p. 592-596
本邦をはじめとして世界各国の医療トレーニングの場面において,外傷対応については数多くのプログラムが存在している。また,需要を反映して,脳卒中や熱傷,周産期のプログラム等も運営されている。それに対して内科領域のトレーニング・プログラムについては充実しているとはいえない現状がある。近年の教育工学やシミュレーション教育を反映し取り入れるかたちで内科救急トレーニングも発達してきているが,それぞれのプログラムは各々の学習目標,教材,学習方法を有している点がユニークである。ここでは,受講者視点をとり,ある受講者が内科系救急トレーニングの受講を思い立った際に,それぞれのコースの内容や特徴を知り選択の材料となることを目的として,本邦で安定して継続的に行われている代表的な内科救急トレーニングを紹介する。それぞれが想定する受講者,設定した到達目標,学習手法など相違点を述べる。