日本臨床救急医学会雑誌
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原著
救急車の走行中の加速度が胸骨圧迫深度に与える影響と胸骨圧迫実施者の姿勢制御効果の検討
小松 義孝田中 秀治櫻井 勝黒木 尚長櫻井 嘉信田久 浩志島崎 修次
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2017 年 20 巻 5 号 p. 631-637

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抄録

目的:救急車を各走行条件のもと加速度が胸骨圧迫深度に与える影響と胸骨圧迫実施者の姿勢制御の効果を検討した。対象と方法:救急隊員の男性救急救命士,32人を対象に実験的研究を行った。実走行させた救急車内で胸骨圧迫を行い,直線,加減速,左右カーブで,胸骨圧迫実施者の体幹部を固定し姿勢制御した状態と非制御時の胸骨圧迫深度,リズム,胸骨圧迫位置,リコイルを比較検討した。走行中の救急車内における加速度は,加速度計を防振架台に設置し計測した。統計学的検討は各比較検討箇所で実施した5回分の胸骨圧迫時の比較項目平均値についてt検定と分散分析(p<0.05)を,また群間比較にBonferroni法(p<0.005)を用いた。結果:実施者の姿勢制御を行った群は非姿勢制御群に比べて,右カーブと減速で胸骨圧迫深度が有意に深くなった(p<0.05)。その他の評価項目に有意差はなかった。結論:実走行中の救急車内で胸骨圧迫実施者の姿勢制御をすることにより,右カーブと減速による影響が軽減され,深い胸骨圧迫が可能となった。

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© 2017 日本臨床救急医学会
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