日本臨床救急医学会雑誌
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調査・報告
Bispectral indexを用いた鎮静評価の有効性
〜Richmond Agitation-Sedation Scaleとの相関に関する検討〜
中谷 安寿吉矢 和久浅井 貴子西尾 慎一郎瀬尾 恵子嶋津 岳士
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キーワード: BIS, RASS, 鎮静, 救命救急センター
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2017 年 20 巻 6 号 p. 712-718

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抄録

背景:鎮静深度の主観的評価を補うために,客観的評価について検討することは重要である。麻酔科・集中治療領域では,RASSとBIS値の関連について意見が分かれているが,救急領域においてその報告は少ない。目的:当センターにおけるRASSとBIS値の関連性を検討すること。方法:鎮静下人工呼吸患者を対象にRASSとBIS値についてSpearmanの順位相関係数を算出した。BIS値はSQI 90%以上かつEMG 50dB以下または30dB以下とした。結果:対象は34名(データ数318)であった。SQI 90%以上EMG30dB以下のRASSとBIS値の相関係数は0.414であった。薬剤別では弱い相関を認めた。一方,外傷や敗血症を除いた場合や深夜帯の場合に0.324〜0.654の相関を認めた。考察:非外傷患者では痛みが少なく,深夜帯では照明や処置などの刺激が抑えられることで,RASSとBIS値の関連が強まる可能性が示唆された。結論:RASSとBIS値について,全体的には中程度の相関を,疾患別や勤務帯別など条件によってはさらに強い相関を認めた。

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© 2017 日本臨床救急医学会
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