日本臨床救急医学会雑誌
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症例・事例報告
会陰裂傷を伴った開放性骨盤輪骨折の1例
斗野 敦士清水 薫菅野 彬三宅 健太郎竹内 直子水落 雄一朗有馬 一
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2018 年 21 巻 3 号 p. 534-537

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抄録

仕事中に2tの鉄骨が腰部に落下し当院に救急搬送された。来院時の体表所見では会陰部に裂創を認め持続的に出血しておりショック状態であった。画像検査の結果,不安定型骨盤輪骨折,右大腿骨転子下骨折,左足関節開放脱臼骨折を認めた。受傷当日に右内腸骨動脈結紮,肛門出血部位のガーゼパッキング,S状結腸の開窓術,骨盤創外固定,血管内コイル塞栓術を施行した。術中所見で,会陰裂創部より骨片が露出しており開放性骨盤輪骨折と診断した。翌日循環動態が安定したため再開腹止血術,双孔式人工肛門造設術を施行した。そのほかにも複数箇所の骨折に対し数回にわたる手術を必要とした。経過中偽膜性大腸炎を発症したが,その他重篤な感染を起こすことなく救命することができた。開放性骨盤輪骨折はまれではあるが死亡率が高い外傷であり,とくに会陰部周囲への開放創がある場合は出血,感染コントロールを含め集学的な治療が必要となる。

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© 2018 日本臨床救急医学会
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