本研究は北海道の特別豪雪地帯で地域救急医療に携わる救急救命士と医師・看護師間の情報共有の実際について明らかにすることを目的とした。道内の特別豪雪地帯を管轄する72消防署に勤務する救急救命士552名,および二次救急医療機関で救急活動を行う医師105名・看護師210名に調査し,それぞれ504名,33名,172名から回答を得た。 その結果,「受傷機転(p<.0005)」「負傷部位(p=.045)」「病状程度(p<.0005)」などの情報収集項目において各職種が必要とする程度に差を認め,救急活動で用いる情報共有方法はすべての方法で医師・看護師より救急救命士の認知度が高かった(p<.0005)。またすべての職種において他職種から提供された情報が自らの活動に役立つと感じていること,実際に救急救命士が行う患者の収容依頼時期より医師・看護師は早期の依頼を希望していたことが明らかになった。