わが国は外国と比較して災害に遭う可能性が高い。災害時には持病の悪化が考えられ,それを防ぐためにも災害に備えた準備が大切である。われわれは以前に患者・医療従事者を対象に災害時における一般的ツールおよび疾患別支援ツールの必要度について報告したが,非被災地における調査であったため,被災地における調査と乖離している可能性がある。そこで今回,東日本大震災をケースに一般的ツールおよび疾患別支援ツールの必要度に対する被災地および非被災地の医療従事者間の比較検討を行った。その結果,一般的ツールおよび疾患別支援ツールの必要度において,「お薬説明書」や「血圧手帳」「糖尿病手帳」など被災者の治療に対して何らかの情報が得られるツールが非被災地群よりも被災地群で有意に高かった。そのため,ICTを活用した新しい情報共有の仕組みやクラウドの構築など災害時に対応するための医療提供体制の確立が急務であると考える。