2019 年 22 巻 3 号 p. 436-441
はじめに:われわれは,診療放射線技師が頭部CT 撮影時に入室からポジショニングまでの間に簡易的に脳卒中の評価を行うCT撮影時脳卒中スケ−ル(computed tomography stroke scale;CTSS)を考案した。目的:CTSSの精度について検証する。対象と方法:共同研究施設の3施設において2015年4〜10月までに救急外来を受診して頭部CT撮影を施行された1,575症例中,既往に脳梗塞がある症例や外傷症例,意識レベルが悪い評価不能症例を除外し,さらにISLSプロバイダー資格を有する技師6名が評価した324症例に対してCTSSの精度を評価した。結果:CTSSの感度は78.4%,特異度は95.2%,陽性的中率は87.4%,陰性的中率は91.1%を示した。結語:考案したCTSSは感度,特異度ともに精度の高い脳卒中スケ−ルであり,臨床運用できる可能性が示唆された。