2019 年 22 巻 6 号 p. 753-760
本研究の目的は,救急外来看護師18名を対象にEmergency Severity Index(ESI)とJapan Triage and Acuity Scale(JTAS)を用いて,模擬患者課題を通した評価者間一致の差を無作為化比較試験で検証することである。緊急度判定の評価者間一致はκ係数を用いて分析した。その結果,ESIはJTASと比較して高い評価者間一致を認め,より優れたカテゴリーに分類された(ESI=0.82,JTAS=0.74)。また,トリアージナース間の一致率においても,ESIはJTASに比して,すべての緊急度で同等以上であり,なおかつもっとも判定に難渋する緊急度レベル2で高い評価者間一致を示すことが明らかになった。すなわち,ESIは患者を適切な緊急度に判定可能であり,わが国の救急臨床により適したトリアージツールであることが示唆された。