日本臨床救急医学会雑誌
Online ISSN : 2187-9001
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ISSN-L : 1345-0581
原著
救命救急センターにおける医師事務作業補助者の活用と効果
井上 弘行上村 修二小出 梨紗舘 祐希喜屋武 玲子文屋 尚史片山 洋一葛西 毅彦成松 英智
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2019 年 22 巻 6 号 p. 761-767

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抄録

目的:医師の業務負担軽減のため,当センターでは2016年に医師事務作業補助者(以下,DC)の業務内容を見直し,病棟庶務から本来業務に変更(以下,業務改革)した。2018年度からはDCを増員し2名体制としたため,それらの効果を検討した。方法:改革前,改革後,DC増員後それぞれの,DCによる各種文書の代行作成数,文書遅滞によるクレーム数,オーダー代行数,各種記録数,症例登録入力数,および医師の残業時間,患者受入応需率,医師満足度などを調査した。結果:業務改革によってDCによるすべての文書作成と記録の件数は増加した。多くの業務がDCに移行され,患者受入応需率は6.7%増加,医師の残業時間は14%減少し,医師の満足度は100%であった。結論:業務改革により医師の負担は軽減し,診療にエフォートをシフトし得た。また,業務が効率化され,生産性と医療の質を上げた。救急医の働き方改革の鍵はDCの活用にある。

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© 2019 日本臨床救急医学会
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