日本臨床救急医学会雑誌
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原著
病院薬剤師の夜間緊急入院対応病棟への介入による薬剤関連入院の実態調査と医療経済効果
森川 剛久保田 健寺島 孝徳岡澤 香津子湯本 みゆ紀柄澤 裕塚田 晃裕
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2019 年 22 巻 6 号 p. 768-775

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抄録

目的:当院の夜間緊急入院対応病棟における薬剤師業務において,薬剤関連入院の実態を調査し,また薬剤師の介入による医療経済的評価を行った。方法:対象は,2016年4月〜 2018年3月までの2年間で,夜間緊急入院対応を主とする病棟で薬剤管理指導を実施した1,754例とした。薬剤師の介入によって薬剤関連問題が原因の入院であると医師が診断した症例とその入院費,処方中止・減量を提案した薬剤のうち費用最小化分析が適応できる症例を調査した。結果:薬剤関連問題による入院と診断された症例は3.6%(64例/1,754例)あり,その入院医療費は計約5,454万円であった。薬剤師による中止・減量提案は410薬剤あり,費用最小化分析が適応できる医薬品削減費は計約710万円であった。結論:入院早期に薬剤師が介入することで,薬剤関連問題が明確化され,医療経済効果も明らかとなった。

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© 2019 日本臨床救急医学会
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