2020 年 23 巻 2 号 p. 110-114
ER型救命救急センターの救急外来では,小児鼻腔異物の初療を初期研修医や救急医が行うことが多い。目的:当院救急外来の鼻腔異物の疫学および初期研修医や救急医の診療の安全性を検討する。対象と方法:2015年1月〜2016年12月に当院救急外来を受診し鼻腔異物と診断された小児。カルテから年齢,性別,異物,除去の可否,方法,合併症を後方視的に検討した。結果:対象は150例。中央値3歳,男児79例,ビーズ54例。視認可能114例中94例(82%)は初期研修医や救急医が除去し,鑷子が頻用された。視認不能36例中1例が後日耳鼻咽喉科医に除去された。合併症はなかった。考察:小児鼻腔異物は救急外来で初期研修医や救急医でも除去可能である。ボタン型電池など緊急で除去が必要な場合を除き,後日耳鼻科医受診を促すことで問題なかった。結語:小児鼻腔異物は初期研修医や救急医でも十分対応できる。