日本臨床救急医学会雑誌
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調査・報告
広島市消防局職員への蘇生処置中止希望表明事案に関するアンケート調査
細川 康二西田 優衣吉野 雅人岸田 正臣久保 富嗣山賀 聡之志馬 伸朗
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2020 年 23 巻 2 号 p. 115-118

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抄録

心停止で救急要請された後に,蘇生処置の中止希望が関係者から提示される事案(do not attempt resuscitation;DNAR事案)がある。その実態を知るために広島市消防局職員にアンケート調査を実施し,1,079名から回答を得た。27%が1回以上のDNAR事案を,そのうちの約半数が複数回経験していた。発生場所は自宅と回答したものが多く,大半で現場活動中にDNAR事案であることが判明したと回答された。医師から心肺蘇生の中止を指示された際,医療機関への搬送を指示された経験と搬送しないように指示された経験とがあった。また,蘇生処置の中止希望の意思を確認するために主治医等と連絡を取った際に困ったことがあったと回答したものが38%であった。

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© 2020 日本臨床救急医学会
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