2020 年 23 巻 2 号 p. 93-98
目的:指令管制員が通報者から電話のみで有効に情報を得ることにより,緊急度,重症度を適切に判断するのは難しい。しかし,指令管制員には確実な判断能力が求められるため,指令管制能力向上を目的とした。方法:指令管制員に対し,キーワードチェック方式のメモを用いてPA連携出場を判断する試みを実施,合わせて総務省消防庁が示した救急テキストを用い,座学,シミュレーション教育を実施した。結果:メモの導入によりPA連携出場件数は増加した。指令管制員の口頭指導能力は向上しつつある。結語:指令管制員による適切な聴取要領は,救命率の向上と市民生活の安心・安全のために必要と考えられる。指令管制能力のさらなる向上のために,救急教育訓練および検証システムの制度化を目指したい。