日本臨床救急医学会雑誌
Online ISSN : 2187-9001
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調査・報告
中山間地におけるラピッドカーとドクターヘリ協動事案の実態
―ラピッドカー看護師の役割―
比嘉 徹間渕 則文高橋 さやか鈴木 晴敬林 佑磨福士 博之松本 卓也中川 隆
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2020 年 23 巻 4 号 p. 594-599

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抄録

三次医療機関から離れた中山間地での当院ラピッドカー(rapid car,以下RC)では,全臨場事案1,035件のうち112件で三次医療機関(救命救急センターと心臓専門施設)への搬送であり,そのうち29件がドクターヘリ協働となっていた。現場での初期診断と安定化治療に必要であった時間は平均16.9分,現場からランデブーヘリポートまでの搬送診療時間は9.8分であった。この間に,診療を行いながら,紙カルテ(複写3枚目が診療情報提供書となっている)を作成してドクターヘリチームに申し送る必要があり,当院のように必ずしも看護師が同乗せず医師1名での出場のあるRCではその記載が十分に行えていない危惧がある。さらに慌ただしい医療環境の中で患者家族のケアの質は保たれているとは考え難く,RCの提供する病院前救急診療でも看護師の同乗・診療支援は必須であると考えられる。

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