日本臨床救急医学会雑誌
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原著
地域メディカルコントロール協議会における救急活動プロトコール改訂のプロセス
卯津羅 雅彦川田 晋司豊田 信之横澤 晋也宮崎 治関 淳一郎竹田 義成鞍橋 隆野呂瀬 順平
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2020 年 23 巻 5 号 p. 671-673

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抄録

東葛飾北部地域メディカルコントロール協議会は,5つの市消防本部と医療機関で構成され,対象人口は140万人弱である。千葉県として共通の救急活動プロトコールは持たず,地域ごとで制定し運用している。2017年度に外傷,心肺停止の薬剤投与,気管挿管,口頭指導のプロトコール改訂作業を実施し,改訂作業の問題点と課題を抽出した。外傷では,骨盤固定具による骨盤固定を導入した。心肺停止時薬剤投与では,アドレナリン投与に関する目撃のない心静止への適応の拡大に対応できるようにした。気管挿管では,ビデオ喉頭鏡使用も考慮できるよう追記した。口頭指導では,隣接する地域メディカルコントロール協議会との共同プロトコール運用に変更した。プロトコール改訂作業は,救急現場での活動に制約をかけることなく,また近隣地域にも配慮した内容を心がけて行うべきである。改訂案策定後も,再検討は継続すべきである。

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